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何言ってんだ俺は!絶対引かれただろ。今キモいです部長。とか思われてるじゃん。
でもしょうが無いよな。反射的に出ちゃったし。うん。
でもなー、、うわーーーー!!
松下は天を仰ぎ頭を抱え心の中で叫んでいた。後悔もしているが、また見たいという思いもふつふつと湧いてきたのも事実。
松下武則は好きになった人なら相手の性別は気にしない性格だ。しかし吉野総士のことは1度もそういう目で見たことなどない。出来る部下で仕事が楽だなぁ。とか偶に美人顔だなくらいにしか思ったことがなかった。しかしいつもでは想像できない姿に興奮していまった。
俺、男の女装に興奮する性癖はなかったぞ、、?
それ程強烈に脳裏に焼き付いているあの姿。
いつも大体真顔で仕事が出来る吉野の下半身からのぞくあのエロい色がとてつもないギャップを生み出していた。
ものすごいチラリズムだよな。
とオヤジ臭いことを考えていると、吉野が入っていた個室のドアが開いた。
「すいません。お待たせしました」
松下が持ってきた着ていた物よりも明るめのスーツに着替えた吉野は、先程のことなど何もなかったかのようにいつも通りのトーンで話した。
「いや、大丈夫だ。それより汚れた方貸せ。責任持ってクリーニング出すわ。ごめんな」
内心無視されてそのまま帰られると覚悟していたが、それは杞憂に終わった。
それでもまた自分がヘマをしないように行動や喋ることを過剰に意識する。
「いえ、大丈夫です。俺の手にぶつかってこぼしてしまったので、こちらこそ着替えありがとう御座いました。」
不審なほどいつもと変わらない吉野が逆に怖くなる松下。あぁ、これ嫌われたやつだと思ってしまう。
だから余計にスーツだけは何とか自分でクリーニングに出したい。
「いや、それならなおさら俺が責任持って出すから。」
食い下がり続ける松下。
だか、吉野はいっこうに意識を曲げることがない。
「じゃあ今度飲みに行こう」
少し怪しいと思われるかもしれないが、スーツの責任も果たしたいし、もう1回で良いからあの下着姿が見たい。というかそちらの方が勝っている。接点を作っておきたくて妥当だと思われる提案をした。
「分かりました」
渋々といった感じただが、それに吉野は了承してくれた。
邪な感情があってごめんよ。と松下は思いつつ、心の中でよし、と握り拳を作った。
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