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バレンタイン・パーティで仮死状態となり、そして息を吹き返す。
もうそれだけでマスコミは大きく取り上げるはずだ。
その波に乗って、盗聴器に録音した音声をもとに、原稿を書けばよいのだ。作家として、不動の座を築くために。
自分に隠し子がいることもそのときに公表するつもりだ。
かつて愛した男との間の、最愛の娘のもとに生還した母親。そんな風にマスコミが書き立てるだろう。
予想外だったのは落雷があったことだ。そのためにスマホが使えなくなり、救急車が呼ばれなかった。救急車がくれば、こんな冷たい寝室でたった一人横たわってなどいなかったはずなのだ。
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