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自分は男性であるし大我を特別視していないから付き合えないと、言っても良いものか南方は迷う。
言わないとして、大我を傷つけずにこの話を終わりにする手段はあるのだろうか。
「白石、みなちゃん困ってるよ」
最も近くで二人を見ていた泉が、手にしていた原稿を丸めて大我の頭を軽く叩く。
南方が思わず軽く安堵すると、大我はかすかに沈んだ表情で南方を見た。
「次原稿聞いてもらうの誰?」
泉は大我の腕を引いて立ち上がらせ他の部員を見回す。
すれ違いで一年の部員がスタジオに入る。
南方は申し訳なさそうに大我を見送った。
「ごめんね白石、決まりだから」
泉は大我を部屋の隅まで連行する。
そして寂しそうにスタジオの南方を見る大我を心配気にたしなめた。
「白石、男に告白して成功したことないだろ。せっかく女にモテるんだから、女と付き合えばいいだろうが」
何度か大我が男に告白する現場に遭遇したが、受け入れられる現場は見たことがなかった。
しかも今回は歳の離れた教師である、受け入れられるはずがない。
「今回も諦めな」
泉の言葉に、大我は返答しなかった。
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