救いなき街

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「ねぇ、聞いた?」 「えっ、何が」 「エミが学校に来てない理由?」 「ううん。知らない」 「なんか、親と一緒に夜逃げしちゃったらしいよ」 「うそ!だって彼女のお父さんって、IT会社経営してるお金持ちって聞いたよ」 「それが、会社が上手くいかなくて倒産したって」 「じゃあ、私が聞いた話と違うな」 「えっ!他にもあるの?」 「・・・うん」 「えっ、教えてよ」 「うちのクラスにヒロキいるじゃん?」 「あのイケメンの!?」 「うん」 「カッコいいよね~」 「ホント!実は私、タイプなんだ」 「うちも!でも、ヤリチンってウワサだよ」 「そうそう!何人も彼女いるって聞いた」 「私もそれ聞いた!」 「でもさぁ・・・」 「でも?」 「あのイケメンなら抱かれてもいいかも」 「まぁ、あのイケメンならね」 「・・・」 「・・・」 「・・・それで、何よ?そのヤリチンヒロキが?」 「そうそう!そのヒロキに抱かれたって話!」 「エミが!?」 「うん、私が聞いた話はね。それで、子供が出来たって」 「あのエミが!?それは、ないでしょ?」 「私もそう思った!だって全然エミのタイプじゃないし」 「じゃあ、何でエミは学校来てないのかな?」 「もう、1ヶ月近く経つよね」 「心配だよね」 「家行ってみる?」 「エミの家?」 「いいね!じゃあ、今から行ってみよう」 「そうしよう!!!」
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