冬の朝

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「うん、うん、うん!美味しい!」  幸せだぁ~!と顔を綻ばせている少女。余りにも寒くて、朝ごはんを買いに行くのを渋った自分をぶん殴りたい!と大きな独り言を言っているが、その言葉に思わぬ返答があった。 「あはは。なら私が殴って差し上げます」 「いえ、それは遠慮します」  ある時から、すっかり傍にいるのが自然になってしまった少年は、少女の命を狙う異形の者であった。  ニコニコと笑いながら恐ろしい事を言うなぁ…と、くるりと半回転した少女は少年の方を向いて、その瞳をとらえた。 「まだ死ぬ予定は無いので、ごめんなさい」 「ああ、残念です。私は貴女がそうなってしまった日から、貴女を殺す日を心待ちにしているというのに」  割と年季の入ったストーカーである。  きっちりと朝食を食べ終えた少女が、そのストーカーの頬を両手で挟む。 「私は後五十年は生きる予定ですから。今は傍に居なくてもいいんですよ?」 「ははは!ご冗談を!世界はこんなに死に溢れているというのに!」     
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