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──このまま関係が終わるならそれでいいと、何も関わりを持たずに日数だけが過ぎ去った。
けれどその日退社しようとして、目の前を歩く彼の背中を見つけたら、
どうしようもなく切羽詰まった思いが喉元をせり上がって、
気がつくと、その身体を押し込むようにもして、無理やりにタクシーに乗せていた。
「……な、何だ、いきなり…」
僅かにうわずる声に、
「……あなたの家に、行ってくれませんか」
と、返した。
「俺の家に……?」
聞き返されて頷き、
「運転手に、行き先を告げてください」
と、促した。
「あ…ああ、わかった……」
動揺を隠し切れない様子で場所を伝えて、
「……各務、急になんだ……」
と、顔を向けた。
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