六章

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タクシーがマンションの前に着いて止まり、 彼は前方の膨らみを隠すように俺の上着を腕に抱えたままで、車内から降りた。 腰にまわした腕で身体を押し出すようにして歩いて、部屋のドアを開けると、 耐え切れず閉まりかけたドアの内側に押し付け、荒く息を継ぐように開く唇を貪り求めながら、探り入れた手で下着の中身を弄って、 「んん…くっ…」 「……どうして、もうこんなになってるんです?」 耳元で羞恥を煽るようにも言うと、逃げるように腰を捩らせた。 「……課長の、この体が、」 ズボンごと下着をずり下げて手の中に握り込み、口内で舌を絡めながら、 「ずっと、恋しかった……」 焦燥感に駆られるようにも掻き抱いて、 「…んっ、あ…!」 熱っぽく声が上がったのを見計らって、一気に追い詰めた。
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