六章

7/15
1496人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
「あっ……」 声に出して、身体を離した。 自分のしでかした行為に呆然とする。 下半身に跨ったままで、身じろぎもできずにいるのに、 「……各務…」 声がかけられて、顔を向けた。 「なぜ…………」 呟いて、 「……なぜ、拒まなかった……」 彼のせいでもあるかのように口にした。 「……え…?」 疑いの浮かぶ目を見下ろして、 「……どうして、俺の思うままにされている……」 睨み据えると、 「……何を言っている……」 と、ますますわけがわからないという眼差しで見返されて、 「……俺に、慣らされたのか?」 と、尋ねた。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!