六章

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「……抱かせろ」 激しい口づけに勃ち上がりを憶えたものを掴んで、 まだ寛げてもいないそこを、いきなりに貫いて、 「……いっ! つっ!んぅ…っ!」 痛みに嗚咽を漏らすのも構わずに突き挿れた。 「……こうして、いたぶられていたいのか…俺に」 「…ん…あ、いた…い……」 痛いなのか、"こうしていたい"ということなのか、 真意などわからないまま、力ずくで身体の奥へ押し入って、 「……俺のもので、いてくれ……」 もはや息もつけないくらいにきつく抱き締めると、 背中に爪が食い込みそうなほどに抱きつかれて、 「……俺は、おまえのものだから……」 声がして……その声を聴きながら、達した。 「……もっと虐めてやるから、その気でいろ……」 「……好きにしてくれていい……」 飢えを癒すように、抱いて互いを求め合いながら、 激しさを増す交わりに、もう戻れはしない関係を思い、 「……俺を愛していると、言ってくれ……」 口にすると、 「……おまえを、愛してる……」 声が返って、 混じり合う息遣いの中ーー 血濡れで熱く重なる身体を、縛りつけるようにも(かた)く、抱いた……。 終
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