うちの上司はめんどくさい

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悪事も実際はしておらず、やっているふりを装っているだけで、構成員も大体良い人ばかり。 イメージしにくい方は町全体を使って行われるヒーローショーとでも考えてもらえればよい。 「それでそのチョコレートらしきもの、誰に上げるんです?」 「だ、誰だって良いでしょう!」 「レッドですか」 キリカの顔がどんどん赤くなる。 どうやら大正解のようだ。 「敵の女キャラがヒーローに恋する......。ゴリゴリのテンプレじゃないですか」 「う、うううーー!」 床を転げまわる上司。 そう、今の彼女は悪の組織(笑)の女幹部ではない。 1人の、恋する乙女である。 「わかりますよー。キリカ様、ああゆう熱血系スポーツ男子好きですもんねー」 「ち、ちがうし!」 「この前もこそこそ本屋でレッドの写真集、買ってましたよね?」 「-----!!?!!」 「包丁下ろしてください。照れ隠しで人殺す気ですか」 レッド。 本名を松坂は知らないため、プライベートでもレッドと呼ばれている。 悪の組織に対抗する正義の味方。 そして、キリカの思い人である。 「キリカ様、レッドと仲いいんですから、写真集なんて買わずに直接会えばいいじゃないですか」 勿論、先に述べた通り悪と正義なんてものはなく、敵対などしていない。 むしろ互いに大がつくほど仲良し。     
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