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もう少しで僕はこの街を出る。
というか僕はパイロットの研修でこの街に来ていて、彼女の家にホームステイしているのだ。
今日僕はこの街を出るのだ。
B「好きだよ」
A「ふぇ?(え?)ふぁふぃ?(何?)ふぃふぉふぇふぁい(聴こえない)
B「聴こえないのは君が大きすぎるそのパンを食べてるからじゃないか。」
A「(ゴクッ)それもそうだね。で、なんて言ったの?」
B「.....忘れたからいいや。」
A「忘れないでよ!!」
そういって彼女はほっぺを膨らまして、くるりと踵を返した。
A「え...まで...。」
B「え?」
A「駅につくまでに思い出して!」
ドーーーーーーン!と効果音がついてしまいそうな勢いで彼女は言った。
言えるわけないだろ。
今日、この街を出る人間が今更告白とか。
未練凄そうだし.....。
彼女が困るだけだ。
A「寂しくなるな....、あっちに帰っても頑張ってね。」
そう言って笑う彼女の顔はどこか寂しそうだ。
でも美しくて..........。
B「思い出したよ。」バカ!止まれ!
A「本当!?」
B「うん」僕の口!止まれ!
もうどうにでもなれ。
B「好きだよ。君が好き。」
A「......え?」
困らせた。泣き顔は.....見たくないな。
そんな僕の気持ちをよそに、彼女は幸せそうに笑って、
A「私も、大好き!」
B「え?」
何が起きたのか良く分らない。
A「パイロットになったらさ、会いに来てよ!私、待ってるから!」
B「.....う、うん。」
そういって僕らは、さよならを言った。
近いうちに会いに行く。
空を飛んで、会いに行く。
君のいる街に、会いに行こう!
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