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お父さんへ
ありがとう! お父さん。小夜子、とっても嬉しいの!
お父さんのおかげで、ステキな体験をしています。
ステキなモデルさんとお友だちになれました。
お父さん、大好き! 小夜子
読み終えた茂作から大きなため息が洩れた。
「そうか、喜んでいるか。そんなに喜んでいるのか……。正三! ほんとに大丈夫なんじゃな。何かあったら、責任取らせるぞ」
「大丈夫ですよ、茂作さん。えっ!? 責任ですか? 責任取ります。取らせて貰います。ありがとうございます」
畳に頭をこすり付ける正三に、「ちょっと待て。何かあったら、のことだぞ」と、茂作が念を押した。
「大丈夫ですって、きちんと責任取りますから」
「だから、何かあったらだと言ってるだろうが」
しかし正三の耳には、入らなかった。
「そうですか、責任をね。それじゃ、そういうことで」
と、上の空で辞した。
「まあのう、佐伯本家の跡取りでもあるし、良しとするかのう。しかし小夜子にも困ったものよ。チャラチャラした娘にならんけりゃ、いいんじゃが」
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