赤い紙袋

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 ゴールド、つまり金……何度、どう見直しても金だ。 「え……貰っていいの? これ、僕が貰っていいやつなの?」  蓋を閉じ、気持ちを落ち着かせながら包装紙を戻す。  これはチョコ貰って、ハッピーのレベルではない。   良からぬことをしているような、なにかに狙われてるようなレベルだ。 「春到来なんてもんじゃないなぁ……それに、女子高生だしな。これ、どうしたものか……」  思考が整理出来きないまま、ずっと金塊を眺めている。  それと、こんな高価なものを女子高生が持っていたこと自体が、不自然である。   なぜ、自分なのか?  ホスト相手に女性客が貢ぐのとは、わけが違う。  なにか、深いわけがあったにせよ、まったくどこの誰かもわからない男に託すなんてことがあるだろうか?  義人は、徐々に不安が積もるのを感じた。  包みを元に戻し、紙袋の中に入れた。それを大事に抱え、辺りを気にしながらトイレから出た。  仕事中、なかなか集中出来ず、紙袋が気になる。  誰からも、なにも言われてないにもかかわらず、周りの目が気になりだす。  デスクの引き出しの奥にしのばせ、外回りに出る。  気のせいか、誰かに見られてるような気がする。  付き添いの同僚と、仕事の車で廻るも、なにか気になる。  しかも、誰かが自分の机を開けてないか……とも思うようになった。  
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