赤い紙袋

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 だとしても、あんな高価なものを女子高生からのプレゼントとして、易々と貰うわけにはいかない。  なにか事件性が無いとも、限らない。  あの女子高生になんとか会えないか?  また駅にいないだろうか?  訳を聞きたい。まず、それからだ。  夕方6時、義人は、その紙袋を持って職場をあとにした。  そしていつもの最寄り駅に着くと、義人は、赤い紙袋をよく見えるような持ち方で、構内を見て廻った。  ホームにある立ち食いそば屋で、天ぷらそばを食べながら辺りをうかがい、外に出て缶コーヒーを片手にベンチに座り、その女子高生が来ないか、様子を見る。  時間はもうすぐ、午後7時になる 。  さすがに、学校帰りに、この時間はどうだろうかと考えた。あの女子高生が部活でもしていれば、話は別だが……。  ふと、朝の様子を思い出した。 (あの女子高生は、どこから来たのか……)  朝に乗ったエレベーターの、改札階の扉の前に立つ。  (右側にはホームに上がる階段がある。て、ことは階段から下りてきた? いや、でもエレベーターの鏡に映っていたのに気付いてからだから、どこから来たのかわからないなぁ)  と、考えながら辺りを見ていると、改札からサングラスをかけた、白いダウンジャケットを着た、長髪の男性が、こちらに向かってきた。
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