6.想いの先へ(1)

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 ◇ ◇ ◇  歩道橋の上を足早に行き交う人の数が増えた。  そんな天候を気にして家路を急ぐ人の流れには乗らずに、制服姿の女子高生がひとり、欄干に両肘をついて佇んでいる。  クセのない長い黒髪がわずかな風にサラリと揺れた。   (もうそろそろ降り出すのかもしれない……)  ぼんやりと考えて、柚葉は流れ方の速くなった仄暗い空を見上げる。   いつもならまだかなり明るさの残っている時間帯なのだが、さすがに迫りくる雨雲には勝てないらしい。
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