2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ううん。だからって無理をして死ぬ必要もないわ。……無理をしなくても、この体は動いていてくれる。……待とう」
「何を?」
「気持ち。楽になるまで」
「……」
「時間がかかっても、その時間は無駄じゃないから。ね?」
「遠いよ」
「え?」
顔を上げて聞き返す。
ううん、と首を振る彼。
そこを、テレビの笑い声が入ってきて押し流して行った。
頬がぴた、と合わせられた。
そのままテレビをぼんやり見て日が暮れるのを見送った。
最初のコメントを投稿しよう!