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週明けは朝から冷え込んでいた。テレビで「体調管理に注意しましょう」と言われて家を出た。
お昼頃も確かに寒かったが、彼女は室内にいても寒気が収まらずずっと震えていた。
顔色が悪い。
「柏餅」も冗談ではないほどに白くて、いくらあったかいものを飲んでも血が通わない。
やっと夕方を迎え、震えながら家路についた。早く帰りたい。
急ぎたいのに、周りはもっと早い。ついていけなくなって彼女は電車を降りたところで空いた椅子にふらふら座り込んだ。
人がはけたところで、次の電車が来る前に何とか1人で改札に向かった。
彼女を冷たい北風が襲う。
夕ご飯を買わなきゃいけない。
コンビニが駅の傍にあるのでそこで栄養ドリンクと一緒にご飯を買った。
彼が外に出てきてくれるとは思わなかったが、連絡をした。「体調が悪い」と。「もう駅ついて、コンビニだけど簡単なもの買ったから、帰るね」とだけ伝えた。
商店街をとぼとぼ歩く。この商店街を抜けて住宅地に入れば家はすぐだ。
今は商店街が帰宅途中の学生やサラリーマンでにぎわっている。
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