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「外! 外、出られなかった! っ……帰ってきちゃったじゃんか……みおちゃん、ひとりでさ……体調悪いのに……!」
「――もしかして、迎えに出ようとしてくれ、た……?」
尋ねるが身体が限界だった。
ふうっと力が入らなくなって、彼の懐に倒れ込んだ。
「みおちゃん――」
「ごめ……ん、ごはん、ひとりでたべてて……動けないや……」
「みおちゃん」
何度か名前を呼ばれたが、もう返事ができなかった。
額に彼の冷たい手が当てられる。
きっと熱があるのだろう。
朦朧とする意識。――体がふわりと浮いた。
頭が回らないせいだろう。天地がどちらか分からないのだ。熱を出すのが久しぶりだから体が驚いている。
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