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彼女は元気になって、彼と一緒にレストランに来ていた。
「予約した」
彼はきちんとスーツを着ていて、自分はワンピースにストールを巻いている。
「予約した」と言ったものの、実際お店を見るとれっきとしたファミレスのように感じる。
メニューを2人で覗いて見た。
「あー、プリン食べたいぃ」
彼女はデザートの中からグレーの胡麻プリンを見つけた。
「プリンがいいー」
「みおちゃん……」
彼はなぜか戸惑ったように彼女を呼ぶ。
「プリンがいい……」
少しして、コックが自分の前に現れた。
「……プリンはなくて」
ぶしつけにないと言われた。
「やだ。プリンがいい」
コックを見上げると、なぜかそれが一緒に来ていたはずの彼の顔だった。
「あれ? きっちゃん……?」
彼はどこだろう。
そもそも一緒に食べに来ていたはずじゃないか。
「きっちゃん……んん……?」
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