第一章 吸血王

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ステータスの表を見た瞬間、俺は絶望した。 菅谷健人 適正:バグ 体力:50 筋力:50 敏捷性:70 魔力:50 バグ? 全く持って心外だ。 一応これでも元の世界ではゲーム以外はまじめに生きてきたつもりなんだが。 スキル値を足し合わせると220。 最大値はユウマの1100 狂化した時はトモヤの1250が一番だけど。 アカリーズ(あかりファン)がにやにやした笑いを向けてくる。 クラスのみんなも勇馬をほめ終わった後、冷たい目線を俺に向けてくる。 なめんな。 バグさえあれば全員アッと言わせてやる。 そうバグさえあれば・・・。 俺が睨み返した瞬間、巫女がステータス表を見て驚きの声を上げる。 「バグなんて存在してないのに、なんで適正がバグなの?」 「存在しない?!」 おかしいだろ。 そんな非情な……。 「ああ、分かった。雑魚過ぎて適正がでなくて表示がバグったってことだ」 坂木の言葉に何人かが吹き出す。 ウソだろ。 なんでこんな風にならなきゃいけないんだ。 「魔王倒しに最も必要とされてない役立たずがここにいます。追放したいよね」 あはははは。 みじめだった。 さらにエスカレートした時、先生がとめてくれた。
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