第一章 吸血王

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魔方陣の外に出ると一生懸命に桜子先生と会話していた巫女がこっちに走ってきた。 全員の驚嘆を背に受け、俺は…… 「いったいなんだよ。」 と、通じるわけないから軽く悪態をつく。 巫女が急に止まった。 そしてその場に崩れ落ち、泣き出したのである。 「なんか気に障ること言った?」 まさか通じるわけないよねと思いながら巫女に近づく。 「ごめんなさい、勇者様。」 え、勇者って聞こえたけど空耳だよね。 「急に謝られる覚えはないんだけど。」 「ごめんなさい、ごめんなさい。」 やっぱ通じてないのかな。 「泣くのやめて。」 「はい、勇者様。」 通じてたんだ。 でもだとすると。 「勇者様って何?」 もしかして…。 「勇者様は…(まさかね)…こちらの世界にザーク神によって召喚されたのです。」 マジすか。 これって・・・いわゆる異世界転移ってやつだよね。 「じゃあ、この世界って魔法があったりするの?」 「はい、「っっっしゃー!!」?。」 やばっ。 オタク魂が叫んでしまった 巫女さん、そんな純粋な目で不思議そうに見ないで。 後ろを振り返るとひいたような目をしたクラスメートが・・・。 いや、ようなじゃないな。 完璧ひいてるよね。 「・・魔法学園もありま「夢の魔法学園ライフっ!!!」」 しまった。 またオタク魂が・・。 ゴホンッ。 咳払いをして冷静になる。 ここまで来たのなら必ず聞いておかないといけないことがある。 「・・獣人とかいるの?」 「もちろんウサギ、猫、「ケットシーッ!!!!!!」」 あまりの感動に倒れてしまう。 ああ神様。 あなたは寛大です。 俺は神様に感謝の言葉をささげながら意識を手放した。
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