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「あのー、勇者の方々…」
みんながびっくりして注意が巫女のほうに向いた。
ラッキー。
「勇者?!」
巫女は慣れたようにすらすら答える。
「はい、あなた方はザーク神に召喚されました勇者です」
何人か自分たちの置かれた状況に気付いて、青くなっている者もいる。
「召喚?!勇者?!」
全く理解してないやつもいるけどね。
「つまりここはファンタジーな世界。何か使命を果たさなきゃ帰れないってこと」
みんなの冷たい視線を浴びながらでも、頭の回転が遅いやつらに状況を教えなきゃいけない。
これはクラスメートとしてではなく、人間として当然のこと。
「そういうことでしょ」
俺は巫女殿に話を振る。
「はい、あなた方には七人の魔王を倒していただきます。そして、来たる魔神との戦いに備えていただきたいのです。そして無事魔神を…」
「「「「エエーーーーッッ」」」
神殿にみんなの叫び声が響いた。
そりゃ、普通の高校生ならびびる。
俺みたいなオタクじゃないと異世界の知識は豊富じゃないし、戦い方も知らない。
こういうときにゲームやっといてよかったって思うんだよな。
みんなが発狂してる中で、俺だけがただ一人冷静だった。
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