悲しくても

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冷たい風に思わず、震える。こんなに雪が降るなんて....。もし降る予定だったなら、もっと早くに降ってくれればよかったのに。 息を吹くと空気が白くなる。よくあることだけど、今日はまるで宝石を見ているかのように、貴重なものに見えた。 A「もう、お別れだね」そう独り言を呟き、パンをかじった。 このパンももう食べれなくなるのかと思うと、急に悲しくなった。 B「おーい!」 その声に、ドキッとする。 A(もしかして、バレたのかな。) B「お前、明日引っ越すって本当か?!」 A(あー、バレちゃった。) A「あーうん、そうだよ」私は泣かないように、無理やり笑顔を作った。 B「なんで、俺だけに言ってくれなかったんだよ!」 A(それは、別れるのが寂しかったからに決まってんじゃん...) B「俺たち友達じゃん!」 A(私は.....恋人だと思ってたけど) B「明日、何時に出発するんだよ?」 A(明日教えようと思ってたのに......) 私は思わず、バッグに入れておいた『明日渡すもの』を彼に押し付けた。 A「これ!」私はそれだけ言うと、呆然と立っている彼をおいて走って逃げた。 なんだか変な気分だった。悲しいはずなのに、心が暖かい。 A「別れてても、またいつか...会えるよね!」
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