暖かくて

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暖かくて

B「もう.....なんなんだよあいつ」どんどん小さくなっていく彼女の後ろ姿を見て思わず呟いた。 完全に彼女が見えなくなった後、押し付けられたものをまじまじと見つめる。 おしゃれな茶色い箱に鮮やかなピンク色のリボンが真ん中についている。 同じ学校のやつが誰もいないか確認し、箱を開けた。 中には、かわいくラッピングされたクッキーと手紙が入っていた。俺はすぐその手紙を開けて読み始めた。 A『私は今日の朝引っ越しました。ずっと、黙っていてごめんなさい。別れるのが寂しくて言い出せませんでした。でも、ちょっとロマンチックでしょ?ロッカーに入れるなんて頭いいでしょー。きっと、ビックリしてるよね。 覚えてる?今日はバレンタインデーだよ。クッキーは手作り!昨日作ったんだ。頑張って練習したんだからね! 最後に、これはお別れじゃないから。 ずっと、好きでした。両思いだといいな。 またいつか会おうね!』 手紙はそこで、終わった。 目からどんどん涙が溢れてきて、手紙に水玉模様をつけていく。 ポケットからスマホを取り出し、今日の日付を確認する。 2月13日だった。頬が暑くなるのを感じる。 明日俺に渡そうとしてたんだと思うと、思わず笑ってしまう。 B(映画の見すぎだろ.....あいつ) どこまでおっちょこちょいなんだよ。 そんな事を思いながら、クッキーをかじった。甘いクッキーに苦いチョコレートがトッピングされている。 B「両思いだからな...」それだけ、一人で呟く。今日は一番寒い日のはずなのに、ほんのり暖かい気持ちになった。 また会えるよな.....てか、会おうぜ。
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