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悲しむ友達を見る度に、両親の泣き後を見る度に、この何もない町は姉が死んだことを僕に押し付けてくる。
耐えられないんだ。
だから僕は、この町から逃げ出します。
悲しむ両親をおいて、友達をおいて。この静けさから逃げ出します。
自分勝手かな。姉さんは最後、僕が町を出ることを知っていた。
あきれただろうか、全てを受け入れ強く生きていけなかった僕を。
「ごめん、姉さん。でも、僕はもう、この町をーー。」
手に持ったホットドックはすでに冷たくなっていた、雪はこんこんと降り続いている。
ずっとずっと降り積もって、この町を覆ってしまうのだろう。
静かだ…。
さようなら、姉さんが好きだった町。
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