雪が降るのは。

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雪が降るのは。

『ねえ、ウィリアムは何で雪が降るか知ってる?』 「バカにしてんの?そんなの……」  『雪のお母さんが雪の子ども達に「あなた達、下界で遊んで来なさい!」って言うからよ!」 「……は!?……ぇ、フラン。それマジで言ってる?」  『勿論!雪がふわふわして楽しそうなのは雪の子ども達が下界が楽しくてご機嫌だからなのよ』  パンを抱えて何の迷いもなく断言するフランにウィリアムの空いた口が閉まらない。  「……雪やみそうだね」 『あ、ほんとだ!雪のお母さんが子ども達に「帰っておいで~」って言ってるんだわ!』 「……は?」  ウィリアムが漸く言葉を発すると、フランは振り返りまた自信満々に告げる。  『ふふふ。雪が止むのはそういう理由なのよ。それでね、止みかけや止んだ雪がまた振りだすのは、雪の子ども達で まだ遊び足りない子達か、雪のお父さんが雪のお母さんに「早く仕事に行きなさい!」って追い出されるからなのよ!』  あまりにも自信満々なフランに、ウィリアムはクスリと微笑み、「お前はいつまでもそのままでいろよ」と頭をガシガシと少しだけ乱暴に撫でた。
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