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俺、フルネームはユキ・シオンだけどさ。使い分けてんだ。バイトの時とか、白猫の時はユキ。それ以外の人間の時はシオン。
俺、元々は野生で、途中で人間のおばあさんに拾われて。それから、まぁ色々あって悠一と出会って恋人になったんだ。
拾われた時におばあさんに「ユキちゃん」って名付けてもらって。俺が突然擬人化しても俺と一緒に暮らすことを選んでくれたおばあさんが、俺に人間としての暮らしも楽しんでほしいからって「シオン」って名前をくれた。
だから店長は、白猫の俺と一緒にいることが多いから俺のことをいつも「ユキちゃん」って呼んでいたんだけどさ。最近は人間の時は「シオン君」って、頑張って呼んでる。
で、俺の隣でソワソワしているこの店長も、同じ“擬人化種”仲間。それも、ジャガーなんだぜ?俺はまだ会ったことがないけどさ、店長の片思い中の男も確か、何かの擬人化種だって言ってたなぁ。
あぁそうそう、俺の恋人の悠一も擬人化種な。んでもって猫科最強の、ライガー。ライオンとトラのミックス、体が4メートルくらいある巨体。怪力。
この1年でたくさんの擬人化種仲間と出会った。擬人化種って、この世界で数がものすっごく少なくて、絶滅危惧種レベルなんだけどさ。
俺が住んでるこの街にはウジャウジャ。いや、ほんと、ウジャウジャって表現するのが正しいんだからな。
なにせこの街の市長、真藤香さんとその秘書、真藤緋桜さんが擬人化種なんだからな。しかも、香さんは擬人化種の始祖なんだとよ。
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