秘密のタッグ結成

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 つまり、千歳を超える超年長者で、狐を超えて妖孤の擬人化種。仕事の時はちゃんとした人間、市長なのに。オフになると途端に「~なのじゃ」とか、おじいさん口調になるんだから面白い。  目を合わせた相手の記憶を読んだりできるとか、超長年生きてきた擬人化種は特別な力を身に着けることがあるらしい。  そんな香さんが市長の座について、外から擬人化種を呼び集めているからどんどん増えているってこと。  ちなみにこの香さんと秘書の緋桜さんは同じ苗字の真藤だけど、兄弟でも親子でもない。赤の他人だけど、しっかり恋人。  他にも知り合った擬人化種仲間はたくさんいるけど、紹介してたらきりがないから割愛。 「店長、ちょっと相談があるんだけど。この前さぁ、チョコの専門店ができただろ?そこに、一緒に行ってほしいんだ」  俺、擬人化して店長の服の裾をチョンチョンと引っ張ってみた。ついでに「だめ?」って、首をかしげて上目遣い。 「ぐうっ!?ひ、卑怯よ、シオン君。そんな、そんな可愛くおねだりされちゃったらあたし、断ることなんてできないのわかってるくせにぃっ!」  フッ、チョロいな。  俺のお得意のおねだり、大成功。ズッキューン!と、店長のハートに矢が突き刺さったのが見えるくらいだぜ。不本意だけどさ、店長は可愛いものが大好きなんだ。  だから俺のことも、「超絶可愛い美人の男の子」ってお気に入りで。ついでに、白猫の時の姿も同じ理由でお気に入りなんだけどさ。
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