秘密のタッグ結成

7/8

29人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
「じゃあ、今度の休みに。ざっくりでいいから、どんなのを作りたいのかとか相手がどんなのが好きなのかを考えておいてくれ。俺もいくつか考えとくから」  休憩時間はあっという間。俺はペットボトルの水を飲むと白猫に変身。ピョンッと、店長の腕の中に納まる。  さぁ、今からまた接客だ。現実逃避、癒しを求めにやってきたお客様をおもてなし。機嫌を損ねないように楽しませて、俺も、おやつを貢いでもらう。  俺がお気に入りの常連のお客様の中には、現金を貢いでくれるやつもいるんだぜ?  これ、俺の接客テクの賜物だから。全然、悪い金なんかじゃねぇからな。俺がバイトを始めて人気が上がってから、売り上げがうなぎ登りで店長は笑いが止まらないんだってさ。 「ありがと、楽しみにしておくわ。さぁて!今日もジャンジャン稼いでちょうだいね、ユキちゃん!」  ほら、店長のオレンジ色の目がお金のマークになってるぜ。きっと、頭の中でチャリンチャリーンって音が鳴ってるんだろうよ。  こうして、俺の秘密のバレンタイン大作戦は始まった。  俺、悠一に逆襲してやるんだ。いっつも俺のことを好き勝手に抱いて――気持ちいいけど――、たまにとんでもない格好でシたり――普段当たらないところに当たるからイイけど――でさ。  しかも、この前なんか大きな鏡の前で何度も見せつけられて――いつも以上に興奮して途中から意識がなかった!――俺は、怒っている!
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加