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志高さんが無表情のまま俺を見下ろし
俺の首筋を人差し指でゆっくりなぞった。
『…ッ……』
『こんなに線が丸いのにタチなんだ……へえ』
それから俺の鎖骨を人差し指でグリッと押した。
『面白いじゃん…俺が咲をネコに育ててやるよ』
…ッ…じょ、冗談じゃない
抱かれる側なんて。
俺は志高さんが力を抜いてるうちに両手で肩をぐっと押して…すり抜ける。
それから志高さんの方を向いて
『悪いけどそれは無理だ』
急いで玄関に向かう
『咲』
顔だけ振り向くと
志高さんは男の顔つきで微笑み
『今日いつもの時間に行くから』
『…ッ…』
俺は事務所から出て…ガチャンと乱暴にドアを閉めた。
せっかく志高さんと仲良くなれて
嬉しかったのに。
そういう目でずっと見られていたことがショックだった。
店では普通に振る舞うしかないな
電話やメールには
答えられないかもしれない
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