第5章 the first stage

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第5章 the first stage

『…………ん』 …………見慣れない部屋…… おれ……どうしたんだったかな…… 薄く目を開いて…… ……寝返りをうつ ………バチっと志高さんと目が合った。 『おはよ』 ふんわり微笑む志高さん……… お、思い出した…… 身体からサーッと血の気が引くのがわかった 昨日……志高さんからされた……いろいろが頭に過り……顔が熱くなる ………そうだ俺……き、キスだけで…ッ……… 一気に自分が情けなくなった…… キスだけでイッちゃうなんて 突然……ホテルの部屋のベルが鳴り響き…… 『ルームサービス届いたけど……食べる?』 『…………あ……た、べる』 昨日の夜から食べてないから……さすがにお腹が減った…………。 俺はトーストにジャムを付けながら……… コーヒーを入れてくれている志高さんをちらっと見た………。 ………昨日はすぐに抱かれるのかと思ったけど あれから……何もしてこなかった。 意地悪なのか……優しいのか……わからなくて戸惑う………。志高さん表情に出ないし 『志高さん……ジャム……付ける?』 『付けてくれるのか?』 『え、あ………ついでだよ』 優しく微笑む志高さんを直視できなくて…… 目を反らす………。 『じゃあ……お願い』 志高さんのトーストにジャムを塗っていると ……………視線を感じて……手が小刻みに震えてくる 『あ、んまり見るな……よ』 クスッと志高さんの口から……笑いが漏れた。 『意識してくれてるんだ?』 俺の顎をクイッと持ち上げ……… 『俺のこと』 志高さんの口にトーストをねじ込み 『調子に……乗るなよ』 ……熱くなりそうな顔を必至に抑える ………志高さんに言われたこと図星だった どうしたんだ………俺……。
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