雪は降り続ける

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おれたちが幼い頃も食料難は続いたが、数年前、魔導士協会が一つの魔法を完成させた。天候を制御する魔法を……。 さすがに、失敗したとはいえ禁呪を無効化することはできなかったが、寒さや雪をある程度コントロールできるようになり、少しはまともな生活ができる状態にはなった。 そのため、食料難の問題も徐々に解決することになり、このように外でホットドックを頬張っても、誰も襲ってこない。 「これが、当たり前なんだよな……」 思わず、呟いてしまう。 「なぁに~、お兄ちゃん? なんか言った?」 「なんでもないよ……。というか、お前半分以上食ったろ!──おれの分よこせ!」 「あははっ、ちゃんと半分だよ~!」 エリーは、無邪気に笑いながらホットドックを取り上げようとするおれの腕を器用にかわす。 「はい、あ~んして」 エリーは、ホットドックを少しちぎっておれの口に放り込もうとする。 「こら、そんな欠片じゃなくて残りをよこせ!」 「え~、ちょっとずつ食べさせてあげるから。はい、あ~ん」 そんな恥ずかしいことできるか──。 内心そう思いながらも、この平和な日々がこれからも続くといいなと……雪が舞い散る空をふと見上げた。
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