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おれたちが生まれたこの世界では、雪が降り続けている。
おれたちの爺さんが子供の頃に、大きな戦争があり世界中は憎しみで溢れていた。
多くの人が死に、それでも争いは過激さを増す。
いつ終わるとも知れない戦争をみかねて、一人の魔導士が禁呪を使った。
それは、世界を凍り付かせる魔法。すべてを終わらせようと発動させたはいいが、失敗に終わる。
大気は乱れ、災害が世界各地で起こった。結果、戦争は終わった。人同士で争っている余裕がなくなったのだ。
戦争で疲弊している状況で災害が続き、作物が育たない状況が続く。人々は飢えわずかな食料を巡って奪いあいが起きる。
その後、災害の大半は収まったが気温だけは下がったままだった。そのため、世界中で雪が降り続けた。雪は降り続け台地は雪に包み込まれる。食糧難に続いて、寒さによってさらに人が死に続けることになる。
おれたちの両親が子供の頃は、食料を確保するだけでも命がけという状況だったそうだ。食料の配給でも奪いあいが起きる状況の中、母と父は出会った。母が配給された食料を集団で待ち構えていた男たちに奪われそうになったのを父が助けたそうだ。
その後は、母と父は共に暮らすようになりおれたちが生まれた。
両親は、おれたちが小さい頃に病気で亡くなった。食料がほとんど不足している状態では若くして亡くなる人は多い。両親も例外ではなかった。その後、おれたちは教会に引き取られそこで生活している。
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