踊りましょ?

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 ー大きな川にかかる橋への道中にてー  B「何、用って」  A「いや、別に?むぐむぐ」  B「食べながら話すのはやめなさい」  A「む、ん…ごめんごめん」  B「で、何の用かな?今日は先輩に呼ばれて研究の手伝いをしなきゃいけないんだけど」  A「えー!!まだあの研究やってたの!?」  B「やってたの。そんな嫌なものみたいに言うなよ、結構難しいんだぞあれ」  A「だからだよ、そんな難しい研究ばっかりしてるとこれ以上背が伸びないぞ~?」  B「身長は関係ないだろ!?今日だって色々と……!」  Bはそこで口をつぐみ俯く。  A「いろいろ?」  B「何でもないよ!!もう!!」  A「あっはは可愛いなぁもう。お腹すいてるでしょ?さっきもう一個買ったのあげるよ」  B「いらないよ。育ち盛りは食べるべきだ、たまに食べる外の味は格別だ!でしょ?」  A「うっ…だれがそんなことを…」  B「執事さん、僕が誰と一緒に買いもの行ってると思ってんの?」  A「あ!もしかしてさっきの育ち盛りって言うのも……」  B「いや?それは身長をバカにした仕返し」  A「ふ~ん?まだまだお子様だねぇ」  B「そっちもまだまだお子様に見えるけど?」  その時雪が空から降り始める。  A「あ、いけない!雪が降り始めてきちゃった!」  B「うん?それがどうかしたの?いつものことでしょ?」  A「いやいや、言ったでしょ?今日は特別な日なんだって」  B「いつもの外出許可以外に何かあるの?なければ行くよ?」  A「愛しの先輩のところに?」  B「違うよ!!そんなんじゃない!!」  A「ごめんってば!そんなに怒らくてもいいじゃないか……うっ、ぐす……」  B「うっ……わかったよ、だから泣かないで。謝るからさ……」  A「じゃあ今度奢ってくれる?」  B「…もう少しお金がたまってからね」  A「ふふ、ありがと」  B「じゃあもういいかな?時間もそろそろだし」  A「ああ、待って待って!すぐ終わるから待って!」  B「なに?本当は用なんて―――」  スッとAがBに震える左手を差し出す。  Aの薬指にはきらりと輝く指輪が見えた。  A「踊りましょ?だって今日は貴方の誕生日なんだから」  B「……え?なんで?」  A「んもう!これだから男の子は!あと私の手もついでに温めなさい!」  B「え、あ!もしかして手袋はめずにずっとここにいたの!?」  A「へへ、食べ物で温めてたんだけど流石に限界みたい……」
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