これは全部、あのコの所為

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ネス視点 マルス「それじゃあ僕はピットを連れて帰るとするよ。またね、ネス、リュカ君」 リュカ「は、はいっ」 ネス「じゃあね」 マルスが去って行くのを見届けると、余程緊張していたのだろう リュカは、ほっと胸を撫で下ろし、自分が僕の服を掴んでいると気付いた リュカ「……あ、ご、ごめんなさいネスさんっ!僕、無意識に……」 ネス「大丈夫だから、謝らないで? マルスと話すの初めてだし、仕方無いよ」 『それに、可愛いリュカを見られたから』(笑顔) なんて口が裂けても言えない。絶対気持ち悪がられる それだけは避けたい…でも、いつか言えるといいな… …!?な、僕、何考えて……!?ま、前より悪化してるかも リュカ「本当にごめんなさい……。つい昔の癖が…」 ネス「む、昔?」 リュカ「…僕、昔から気弱で引っ込み思案だったので 何かあると兄ちゃ……兄の服を掴む癖がついちゃって…」 ネス「お兄さんいるんだ」 リュカ「はいっ、クラウスって言うんですが、少し過保護と言うか… 僕がどこかに行こうとすると絶対ついてきたりして……」 ネス「凄い大切にされてるね…」 リュカ「そうですかね?でも、そんな兄ちゃんに僕も頼りっぱなしだったので癖が…」 ネス「…リュカの子供の頃を見てみたいかも」 リュカ「うぇ!?」 リュカ「は、恥ずかしいですよぉ…」 ネス「そ、そう?僕は大丈夫だけど…」 リュカ「それなら、こうしませんか! お互い昔の写真持って来る、と言うのはどうでしょうっ」 ネス「あ、それ良いかもー!それじゃ、明日持ってこようよ」 リュカ「はい、そうしましょうっ!絶対ですよ!」 ネス「よしっ、決まり!」 リュカ「あ…、さっきより暗くなって来ましたね…」 ネス「ホントだ。そろそろ帰ろうか」 リュカ「そうですね。では、また明日。ネスさん」 もっと話したい。一緒に居たい。 リュカを見ていたい。離れたくない その一心で帰ろうとするリュカを慌てて引き止める ネス「ぁ…ちょ、ちょっと待って!…暗いし送ってくよ」 リュカ「大丈夫ですよ!少し遠いですが、いつも通っている道ですし」 ネス「僕が送って行きたいの…っ!……ダメ、かな」 リュカ「……それじゃあ、お言葉に甘えて。…お願いします」 そう言って頭を下げ、微笑んだ顔が、あまりにも綺麗で… 美しくて、僕はしばらく目が離せなかった
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