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B「あの時、パーティー会場にいた人たちの中でマフラーを巻いていたのは君だけだった。おそらく君のマフラーにはC蔵さんの皮膚片が付着しているはずだよ」
A「ち、違うもん……私は人殺しなんかやってないもん! もっと決定的な証拠がないと!! 私は容疑を認めないもん!!!」
B「A子さん、君寒くないの?」
A「えっ……?」
B「君は寒がりでいつも手袋を身につけていた。今朝、屋敷に向かう途中だって布手袋を着用していたはずだよね」
A「そ、それは……」
B「C蔵さんの直接の死因は絞殺だったけど、頭部に鈍器で殴られたような痕跡が見受けられた」
A「っ!!」
B「おそらく君は始め__C蔵さんを撲殺するつもりであの部屋を訪れたんだ。でもC蔵さんは一撃で死ななかった。意識を取り戻したC蔵さんは助けを呼ぼうとした。だから君は咄嗟にC蔵さんの首をマフラーで絞めて、断末魔をその喉元に閉じ込めたんだ」
A「……」
B「僕が気になったのは、現場に残されていた鈍器に付着していた血痕だよ。何か布のようなモノが擦れた跡があった」
B助がポケットから取り出したのは、血液が付着した布手袋だった。
B「これが、君の言う決定的な証拠だよ。近くの河川敷に投げ捨てられていたものだけど……僕の記憶が正しければ、これは君が今朝着用していた手袋と同じものだ」
A「……動機は?」
B「動機?」
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