後悔しないために、書くんですよ。

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 二年生になって、クラスが変わります。担任は一年から変わらなかったにっしー先生です。残念だ。  人間関係と金銭面でのトラブルが半年以上続くよ。耐えてね。というか初めから手を出さないでな。  奢るなんて言われても断っとけよ? いいな?  先輩からの信用を無くして、自分の精神が壊れてると思うの。  多分ね、自分がなんで生きてんだろって大人なこと考え始めると思うんだ。そんでもって、人間不信になると思う。  だからクラスの隅っこでちまちまと絵を描きながら勉強を受ける一年を送るよ。  その年は何故か勉強に集中できて、数学、英語、音楽、国語、社会、理科が爆発的に伸びるよ。音楽と国語は特に伸びる。百点は取らなかったけど、九十点とかとってるんだよ。すごいよね私。  その時ね、将来の夢について考えてると思うの。  就職しながらサックス奏者にでもなろうか、漫画家になってデビューしたいなぁ……とか、海外で暮らしたい! とか。  でもそれは夢だけにしておいて。今の私じゃ、手が届かなくて叶いそうにないの。  吹奏楽では一つ下の可愛い後輩が二人できるよ。りーおちゃって言う子はあなたの小学校にいるでしょ? その子が入ってくるんだよ。  そこであなたは、少しだけ真面目になると思うの。多分、『先輩』っていう肩書きを持ったからなんだと思う。  その時には、もう楽譜もドレミ振り無しで、後輩にいつでも教えられるような、半人前の先輩にのし上がってるさ。後輩に「和蘭芹先輩! ここ教えてください!」って後輩自ら言われるくらい、とても懐かれて慕われる可愛い後輩に仕上がってるんだよ。
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