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「寝るころですか?」
「それなら、湯上がりのお前を俺は見れないだろ?どうせスッピンも見られたくないんだろうからさ、 ベッドに入って部屋は暗くしてていいよ。そうすりゃあ、お前は俺に見れらないで済む」
「でも、時間かかりますよ。いいんですか?」
「ん、いいよ。俺はお前に嫌われたくない」
目黒はチューリップ型のグラスを持ち、微笑んでみせた。それから、香りをゆっくりと愉しむようにグラスに鼻先を近づける。
「……」
グラスに口をつける目黒を複雑な気持ちで眺めた。
「気にすんな。俺はお前が好きなんだから、お前の望むようにしたいんだ」
「すいません…なんか」
ワガママばかり言って申し訳ないような気がしてきた。
「いいよ。惚れた弱みだ。お前のいうことならなんでも聞く。気が変わってお前が『一緒にとなりで寝て下さい』っていうなら、喜んで隣に寝る」
「チーム長、そんなこといいませんから」
「言ってもいいって。我慢すんなよ?」
「してませんからっ!」
頬を膨らましてスツールからおりようとした翼は、やはり酔っていたのか体勢を崩し倒れそうになった。
「わっ!」
倒れそうになった翼を目黒が腕を伸ばして抱きとめた。
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