返して欲しかったら……

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返して欲しかったら……

 ぼくは雪が舞う中、彼女を追いかけた。 「待ってよ!」 「なに?」  彼女は立ち止まり笑顔で振り返る。 「ぼくの昼メシ、返してくれよ」 「ん~、どうしよっかなぁ~。  じゃあ、付き合ってくれるなら返してあげる」 「おまえにやるよ」  ぼくは踵を返した。 「え? あ、いや、待って!  パンも返してもらえて、わたしと付き合えるんだよッ?」 「そういうのいいから」 「キ、キスでどぉ?」 「いらない」 「デ、デートなら」 「さよなら」 「じゃ、お食事でも……」 「通報するよ」 「そんなぁ~」
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