先輩、死んでもらいます。

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 『これから二十四時間以内に先輩を殺します。 もし、二十四時間経過した場合は今後二度と命を狙いません。』  なるほど、まったく理解できない。  なぜ狙われるのか? なぜ俺なのか疑問が多々残るが、今はあのオレンジからどうやって逃れるかを考えなければならない。  今思え返してみると、彼女は俺のことを『先輩』と表現していたので、二学年の自分からしても、おそらく後輩なのだろうが、制服をみる限りだと同じ学園であると思われる。  つまり、同じ学園の一学年ということであろう。  ならば、最初にとる行動はやはり一刻も早く学園に逃げ込むことであり、そうすれば襲撃される条件は限られてくる。  そして、学園や俺の普段の行動範囲ならば十分に撃退は可能と思われた。  なぜならば、俺はそんな人間なのだから。  いつもより、三十分以上早く到着したが周りは既に甘い雰囲気に包まれているが、俺はそんな気分にまったくなれない。  素早く靴を履き替えて教室に向かい、席に座った。  教室の中は学友がまだ少ないが、さすがにここには襲撃はないと踏んでいる。  もしそれが可能ならば、外からの狙撃と爆発物や生物兵器および毒ガス類だが、狙撃以外は多数の犠牲がでてしまう、そして狙撃は無いと考えている。  彼女はあえてこの手紙を渡してきて、対等な立場で勝負を挑んできているので、今後も狙われるならば接近戦がメインであろう。  一応机の中なども調べてはいるが、いじられた形跡は見られない、俺だったら間違いなく罠を仕掛けるが、それをしないのには訳があるのではと思っている。  とにかく、彼女はフェアであろうとしているが、残念なことに俺は常にアンフェアを貫かせていただかければ、簡単に彼女に殺されてしまうであろう。    
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