小さなようで、大きな出逢い

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 軽く朝食を済ませて、空いているものを選んでいくつかのアトラクションを楽しんだ。  ショップを回ってハロウィン限定のグッズや激混みにならないうちに早めにお土産のお菓子を買いこみ、車に一旦戻る前にちょっと休憩しよう、となる。  ティポトルタという、娘の気に入りのパイ菓子と飲み物を並んで買い、空いている席を探す。  ティポトルタを売っているトロピック・アルズのある場所にはいくつかの椅子とテーブルがあるが、そこはもう人でいっぱい。    「仕方ないね、通路のベンチを探そうか」  私が言うと、娘は頷いて先に立って歩き出す。  人通りの多い道に出たところで、「お父さん、こっち!」とはしゃいだ声とそれを制止する男の人の声が聴こえ、後ろ向きのまま走ってきた女の子が娘に体当たりしてきた。  「わっ!」  娘は持っていたジュースをこぼして浴びてしまい、その驚きでティポトルタも取り落としてしまった。  ぶつかってきた女の子はビックリして固まっている。
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