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7つ上の息子に比べていつまでも子供っぽくて幼稚だと思っていた娘は、最近急に女の子らしくなった。
背も伸びて、体重を気にしてあまり食べないせいか、幼児体型だったのがウソのようにすらりと細くなっている。
髪も肌もきめ細かくつやつやして張りがあって、若い女性の輝くような美しさを現し始めた娘を、私は少し羨ましく眺める。
娘は私の視線に気づいて「何?キモっ」と目をすがめる。
この語彙力の乏しさ…私はため息を押し殺し、娘に話しかけた。
「ファストパス取ったら、朝ごはんにしよっか。マンマ・ビスコッティーズとニューヨーク・デリ、どっちがいい?」
「うーん…どっちもカロリー、高そうだよね」娘は考え込む。
「ここでそれを気にしても仕方ないでしょ、今日は良いじゃないの」
私は苦笑して入場ゲートでもらった、期間中のイベントのパンフレットを広げる。
「ああ、この…ハロウィン限定メニュー、美味しそうだし可愛いよ」
私が指さすと、娘も覗き込んで嬉しそうに頷いた。
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