291人が本棚に入れています
本棚に追加
/359ページ
夫は私のベッドサイドに屈みこんで、私の髪を弄びながら続ける。
「正直なところ、深雪がそんなにモテるとは思ってなかったから、驚いたしちょっと引いた。
だけど、俺の知らないところで深雪がそんなに魅力的なのかなとか考えてたら、妬けてきちゃって…
自分でもそんな風に思ったことにびっくりした」
失礼な言い草だなあ徹頭徹尾。
私は口を尖らせる。
夫は私の表情を見て笑う。
「そんな顔、久しぶりに見たな。
とにかく、深雪はこれまでもこれからもずっと俺の奥さんで、誰にも渡さないって思ったんだよ」
そう言うと顔を近づけて、唇にキスした。
私は避けようか迷って、…受け入れた。
洋平とキスするなんて、久しぶり…
意外と嫌じゃない。
髪を撫でる大きな手も、意外と心地よい。
私は、この人の奥さんで居て良いんだ。
安心して私は目を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!