二話 カララク

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 テンライが居ることに気づいたトワは、生真面目に謝罪しながらマキリの後ろに隠れる。 「すまない、カララク。荷と服を盗まれた」  トワが言い終わらないうちに、少し離れた場所から森の木々をざわめかせて一騎のシシト獣が上空へ舞い上がる。 「待て!」  叫んでマキリとともに駆け出すが、天高く駆け上って行くシシト獣には、こちらの声など届いていないだろう。  並走するマキリの背に飛び乗りながら、胸のすみで改めて確信する。  ああ、やはり。  トワをひとりにしておくと、ろくな目に遭わない。
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