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◆ 『せーまのばか! しばらく話かけんなっ、メールもいらない! 無視する!』   灯から無視を宣言する悲しいメールを受け取ったのは、その放課後。明日がいよいよ文化祭の本番だというのに、何一つ手がつかない。とはいえ、しきりたがりな女子に命じられるまま机を運んだり飾り付けを手伝ったりしていた。  灯は蒼さんのお迎えで先に帰宅したと真智が教えてくれた。  早く謝りに行きたい。  確かに、ただでさえ目立っているのに軽はずみな行動だった。いきすぎた発言もあったし……。でもあの時、灯が頷いてくれたら丁度いいと思った。堂々と一緒にいられるじゃないか。冗談だと笑う人もいるし、本気で嫌悪する人もいるだろう。関心すらない人だっている。それらを交わすことくらい、母のことを思えばなんてことない。  怖いのは、傷つけたくない人に迷惑を掛けること。灯に攻撃がいくようなことだけは避けたかった。    というわけで、蒼さんの言いつけを破って須田家の門を叩いた。インターホンを押して、心臓をバクバクさせながら待っていると、やや予想外な陸さんが応対してくれた。     
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