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「お~い、宮内! 休憩だって。どっかで昼飯食おうぜ」  教室内で給仕係を担っていた白井が、俺を見つけてくれた。よく探し出せたなと感心すると、「お前は見つけやすい」と鼻で笑われた。  白井に腕を引っ張られたまま比較的人の少ない中庭へ移動する。花壇と、よく分からない配置で飾られた岩、それにやや濁りのある池。休憩がてら座り込む人がそこここにいた。  灯の姿はないだろうか。  今朝からずっと目で探している。校内を歩いてさえいれば、偶然を装って会えないだろうかと。   「お前何も食べねぇの? 焼きそばやろうか? たこ焼きか? フライドポテトもあるぞ」  いくつもビニール袋を提げた白井は、俺を日陰になる場所へ座らせた。芝生の上に足を投げ出した俺に、ほらほらと白井がせっつく。 「いや、しょんな熱いもの食べたら口の中いひゃいし」  絆創膏を貼った口の端をそっと撫でながら、何気なく言った。しかし気を付けないと上手く舌が回らない。正直、あまり喋りたくなかった。結構痛いんだ。  視界の端で白井がじっとこちらを射抜くように見ているのは気付いているし、何をこれから訊かれるかも分かる。 「……あのさ、朝からみーんな気にしてるけど、その顔の怪我、なんなの?」  まぁ、そうだよな。     
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