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 ◆◆◆  家を出て、会ったばかりの父と暮らす。その準備は速やかに行われた。予定していた灯と保護者付の遊園地デートは延期となる。納得のいく説明を求められ、家庭の事情を須田家姉妹にも語る羽目になったが、スッキリした。それに蒼さんには褒められてしまった。「見上げた心意気よ」と。陸さんはまぁ、興味なさそうだったな。ただただ遊園地が延期したことに拗ねていた。春さんのコメントは耳に入っていないが、何もないのは賛成の印だろう。    父に電話した晩から、事態は目まぐるしく変わった。さすがにここまでのことは考えていなかった。  電話口でおずおずと名乗り、相談したいことがあると告げた。血の繋がりがあるという支えを一点に、いくらなんでも性急すぎると思う。だが、父は「今すぐ会おう」とやや涙声で何処にいるのかを訊ね、本当に飛んで来てくれた。  顔を見て、一目で親子なんだと確信できた。自分は、性癖だけじゃなく顔も父親に似たんだと単純に嬉しかった。そして、やっぱり自分は父を憎めないと分かった。そもそも交通事故で他界したと信じていたんだ。天国の父に見守って、と声を掛けることはあっても恨み言は無い。     
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