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 オブラートに包んだり、ロマンチックを装おうことなく、ただ剥き出しの欲望を口にした。すぐに灯に「馬鹿」とか「変態」「えっち!」て罵られると思った。なのに、意外な反応がきた。 「……い、いいよ」  は?  心の中で呟いてから、もう一度声に出した。 「は?」 「お、俺も……せーまと一緒の気持ち、だし」  尚も勘違いするような発言をかますので、待ったをかける。 「いやいやいや、お前、分かってるか? 触って擦るだけじゃないんだぞ?」 「ばっ、ばかに、するな! 俺だって、どういうことかくらい……分かる。だって」  灯は顔を下へ向け、俺の袖をぎゅっと掴みながらか細い声で言う。 「春姉に、男同士のやり方……教わってるもん。大事なことだからって……」 「!!」    衝撃の告白に立ち眩みを覚えた。まさかとは思うが鼻血が垂れないかと危ぶみ、手で塞ぐ。 「だから、やる時は事前に教えて?」  同時に口も押さえていたから呼吸困難になりかけ、慌てて空気を貪る。そしてあたふたと訊ねた。 「じ、事前に言えば、いいのか?」    灯の肩に手を置き、覗き込むようにして真剣に、確認する。 「う、うん。だって、その前に準備、色々しなきゃいけないだろ?」 「じゅ、準備……だと?」  生唾をごくりと飲み込んだ俺に、灯は不思議そうに首を傾げる。 「だ、だって……女の子みたいにならないんだから……、腸の洗浄とか。あそこ解したり」 「いいっ!」     
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