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「ち、違うよ。灯ちゃんとはご近所同士で。弟みたいなものです」
「妹だろ?」と灯が訂正すると「弟に決まってる」と、小さな言い合いが始まった。挙げ句、恋人が出来ない責任をなすり付け合う始末。
「まぁまぁ、こういうことなら友達を利用しないと灯ちゃん」
白井が馴れ馴れしく、俺の肩を叩いてきた。
「宮内、灯ちゃんに可愛い子紹介してやれ。友達なんだろ?」
「やだね」
心の声だと思ったソレは、しっかり出ていた。灯の視線を感じたが、内心動揺していたので見られなかった。
「友達がいのないやつだなぁ」
「別に友達じゃない」
本当は関わりたくないと思っている。
「うわ、氷の王子発言だ。灯ちゃんかわいそ~」
「べ、別に……いいし。だいたい、白井が勝手に言ってるだけじゃん。俺、そんなこと頼まないし」
微妙な空気を察した真智が、白井に部活のことを訊ねたので話題が逸れた。
こういう子を彼女にしたら、きっと楽だろうなと思った。
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