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頭の中でガンガン警鐘が鳴る。須田はまるで、強力な磁石だ。俺の心をどんどん引っ張っる。こうして直接話すようになって、まだ日は浅いというのに。
「あ、静馬ったら須田君と何話してるの」
「灯ちゃん、静馬を誘惑しても無駄だよ」
いつかの茶髪の女子が似たような友達を連れ、須田の脇を抜けてきた。
「ゆ、ゆうわく? い、いやっ、違うし」
派手な女子に気圧され、須田はよろめきながら後退した。
「静馬一人? うちらと一緒に帰ろうよ」
頬に、誠意の詰まった視線が突き刺さる。
「まぁ、駅までならいいけど」
歓喜する女子はそれぞれ靴を履き替えに向かった。
須田に背を向け、半端に突っ込んだ靴を慣らしながら「じゃあな」と別れた。
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